なぜ「お金」は便利なの? 「お金」の3つの機能!
- 「お金」が便利なのは、3つの機能があるから。
- 1つめは、モノを交換する機能である「交換(決済)手段」。
- 2つめは、モノの価値を測る機能である「価値の尺度」。
- 3つめは、モノの価値を貯める機能である「価値貯蔵手段」。
「お金」があると、なぜ便利?
なぜ、「お金」は便利なアイテムなのでしょうか?
それは、「お金」には、3つの機能があるからです。
それぞれの機能を「お金がない場合」と「お金がある場合」で見ていきましょう。
①モノを交換する機能
お金がない場合
「お金」というアイテムが存在しないので、Aさんは「物々交換」をしようとします。
Aさんは、持っている「さかな」を「みかん」と交換するために、交換条件に合う相手を探さなければなりません。時間と労力が必要で、とても大変そうですね。
お金がある場合
Aさんは、「さかな」を「お金」に交換しておくことで、いつでも好きな時に「みかん」を手に入れられます。苦労して交換相手を探す必要はありません。
このように、「お金」は、モノとモノとの交換を媒介(仲立ち)しています。これを「交換(決済)手段」といいます。
②モノの価値を測る機能
お金がない場合
例えば、「さかな」の価値が100なら、「みかん」の価値も100でなければ、物々交換は成立しません。どちらか一方が損をしてしまうからです。
「さかな」と「みかん」の価値を同じにするには、「大きいさかな1匹」なら「みかん10個」、「小さいさかな1匹」なら「みかん3個」というように、毎回、話し合いが必要になります。とても面倒ですね。
お金がある場合
「さかな」や「みかん」に、値段をつければいいのです。
例えば、「大きいさかな1匹」=200円、「小さかな1匹」=60円、「みかん1個」=20円というように、それぞれのモノに値段をつけて、お金でやりとりすれば、簡単です。
このように、「お金」は、あらゆる品物に値段(価格)をつけることで、モノの価値を表します。「お金」によって、モノの価値を比較したり、判断したりすることができます。これを「価値の尺度」といいます。
③モノの価値を貯める機能
お金がない場合
例えば、「さかな」を3匹釣ったとします。1匹は自分で食べるとして、残りの2匹は何か別のモノと交換したいですよね。
でも、急いで交換相手を探さないと、せっかくの新鮮な「さかな」が腐って、価値がなくなってしまいます。
お金がある場合
じゃあ、お金と交換しよう!
2匹のさかなは、「お金を持っていて、さかなが欲しい人」と交換します。
「大きいさかな」は200円、「小さいさかな」は60円なので、260円と交換こうかんできます。
お金は、腐らないよ!
「お金」に交換しておけば、安心です。「260円」は、明日も明後日も「260円」のまま、変わりません。
「お金」は、モノと違って腐ることはありません。貯めておけば、いつでも好きな時に、好きなモノと交換することができます。
お金は、貯めることもできるよ!
「お金」を貯めることを、「貯蓄」といいます。
「お金」は、貯蓄することで、将来に備えて、お金の価値をたくわえることができます。
たくさん貯めておけば、高価なモノと交換することもできます。
このように、商品を購入せずに貯めておけるお金のことを「貯蔵貨幣」といいます。お金の価値は明日になっても変わらないので、貯蔵手段になります。これが、お金の「価値貯蔵手段」としての役割です。
確認問題
(1)モノとモノとの交換を媒介する、というお金の機能のことを( )という。
(2)モノに値段をつけることでモノの価値を測る、というお金の機能のことを( )という。
(3)将来に備えてお金の価値をたくわえることができる、というお金の機能のことを( )という。
答えはこのページの下のほうにあります。
用語解説
物々交換(ぶつぶつこうかん)
barter trade(バーター・トレード)
●自分が所有するモノと、他人が所有するモノとを、お互いに取りかえること。
●貨幣を媒介(仲立ち)しない、直接的な交換のこと。
●近年においても、貨幣が機能しない混乱時(戦争や不況など)に行われることもある。
交換(決済)手段(こうかん(けっさい)しゅだん)
means of exchange(ミーンズ・オブ・エクスチェンジ)
●お金の3つの機能の1つ。
●商品取引において、お金は、モノとモノとの交換を媒介し、売り手と買い手の間を流通し続ける。
●「支払手段」、「媒介手段」、「流通手段」ともいう。
価値の尺度(かちのしゃくど))
scale of value(スケール・オブ・バリュー)
●お金の3つの機能の1つ。
●あらゆる品物に値段(価格)をつけることで、モノの価値を表す。
●。お金(価格)は、モノの価値をはかる基準。
価値貯蔵手段(かちちょぞうしゅだん)
means of store of value(ミーンズ・オブ・ストア・オブ・バリュー)
●お金の3つの機能の1つ。
●貯蓄することで、将来に備えて、お金の価値をたくわえられる。
●お金の価値は明日になっても変わらないので、貯蔵手段になる。
貯蓄(ちょちく)
ssavings(セービングズ)
●商品を購入ずに貯めておけるお金かねのこと。
貯蔵貨幣(ちょぞうかへい)
store of money(ストア・オブ・マネー)
●商品を購入せずに貯めておけるお金のこと。商品を購入ずに貯めておけるお金のこと。
参考文献
図解金融入門基本と常識(伊藤亮太著/西東社)
ポケット図解マクロ経済学がよーくわかる本(小笠原誠治著/秀和システム)
答え
(1)交換(決済)手段
モノをお金に交換しておくことで、いつでも好きな時に、好きなモノを手に入れられます。苦労して交換相手を探す必要はありません。
(2)価値の尺度
お金は、モノの価値を表します。お金(値段)によって、モノの価値を比較したり、判断したりすることができます。
(3)価値貯蔵手段
お金は腐らないし、たくさん貯めておけば、高価なモノと交換することもできます。